はじめに
公共工事で契約保証を求められる際、請負契約書や入札公告の中に
「契約不適合特約を付すること」といった記載がなされる場合があります。
特に駐屯地・基地発注案件では、この特約が条件として付されているケースが多く見られます。
一見すると、契約条件の一つに過ぎないように思えますが、与信枠の観点から見ると、今後の落札状況に大きく影響する重要な特約です。
本記事では、契約不適合特約が与信枠に与える影響と、与信枠が不足した場合の対策について解説します。
契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、完成した工事が設計図書や仕様書などの契約内容に適合していない場合に、受注者が負う責任です。履行ボンドでは、この責任を保証対象に加える「契約不適合特約」を付けることができます。
履行ボンドは、「工事を最後までやり切れなかったときのための保証」がメインです。
倒産や重大な契約違反などで工事が中断し、発注者が別の業者に依頼して工事を完成させなければならないような場面を想定した仕組みです。
これに対して、契約不適合特約は、工事がいったん完成したあとに発覚する「契約どおりになっていない状態」に関する責任を対象とするものです。たとえば、設計図書や仕様書どおりに施工されていなかったり、完成後に不具合が見つかって補修や、やり直しが必要になった場合、発注者は受注者に対して履行の追完(やり直し・補修)や代金減額などを請求することができます。
2020年4月の改正民法施行により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと見直されました。これにより、発注者が請求できる内容が増え、権利を守りやすくなりました。一方、施工側には、単に一般的な品質を満たすだけでなく、設計図書や仕様書などの契約内容に適合した工事を行うことが、より明確に求められるようになりました。
契約不適合特約が与信枠に与える影響
契約不適合特約を付けた履行ボンドは、工事が完成したあとも、特約期間が終了するまで与信枠を使い続けます。
例えば、与信枠1,000万円の会社が、請負金額3,000万円・契約不適合特約2年付きの履行ボンドを契約した場合、保証割合によって次のようになります。
─

10%保証では300万円、30%保証では900万円の与信枠が、工事完成後も2年間使用できません。
実務では30%保証を求められる工事が多く、与信枠1,000万円の会社では、1件の契約だけで900万円の枠が長期間拘束されます。
その結果、工事を受注できるだけの施工能力があっても、与信枠不足によって履行ボンドを発行できず、落札を見送らざるを得ない中小企業も少なくありません。
対策
契約不適合特約によって与信枠が拘束されても、その枠が空くまで新たな工事を受注できないわけではありません。
与信枠そのものを増額することで、次の工事に必要な枠を確保できます。
与信枠の増額には、民間保険会社との交渉が必要になります。
その際、決算内容に加えて、賠償責任保険や労災上乗せ保険などの一般損害保険への加入状況も、判断材料の一つとして考慮される場合があります。ただし、実際の評価基準や増額の可否は各社の審査方針によって異なるため、詳細は個別にご相談ください。
ただし、保険契約を一社に集約すればよいわけでも、複数社へ分散すればよいわけでもありません。
どの契約をどの保険会社に配分するかは、各社の引受方針や自社のリスク状況によって最適な組み合わせが異なるため、個別に設計を検討する必要があります。
さらに、決算内容を改善していくことで、与信枠の増額交渉もしやすくなります。



当社では、与信枠の整理から損害保険会社との交渉まで一体でサポートしています。
過去には、総合的な判断材料のを通じて、与信枠の増額に繋がった事例もあります。
(結果は企業様ごとの状況により異なり、同様の結果をお約束するものではございません。)
契約不適合特約付きの工事が増え、「そろそろ与信枠が厳しくなりそうだ」と感じているようでしたら、枠が不足する前に一度ご相談ください。
公共工事で契約保証を求められる際、請負契約書や入札公告の中に「契約不適合特約を付すること」といった記載がなされる場合があります。
特に駐屯地・基地発注案件では、この特約が条件として付されているケースが多く見られます。
一見すると、契約条件の一つに過ぎないように思えますが、与信枠の観点から見ると、今後の落札状況に大きく影響する重要な特約です。
本記事では、契約不適合特約が与信枠に与える影響と、与信枠が不足した場合の対策について解説します。
契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、完成した工事が設計図書や仕様書などの契約内容に適合していない場合に、受注者が負う責任です。履行ボンドでは、この責任を保証対象に加える「契約不適合特約」を付けることができます。
履行ボンドは、「工事を最後までやり切れなかったときのための保証」がメインです。
倒産や重大な契約違反などで工事が中断し、発注者が別の業者に依頼して工事を完成させなければならないような場面を想定した仕組みです。
これに対して、契約不適合特約は、工事がいったん完成したあとに発覚する「契約どおりになっていない状態」に関する責任を対象とするものです。たとえば、設計図書や仕様書どおりに施工されていなかったり、完成後に不具合が見つかって補修や、やり直しが必要になった場合、発注者は受注者に対して履行の追完(やり直し・補修)や代金減額などを請求することができます。
2020年4月の改正民法施行により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと見直されました。これにより、発注者が請求できる内容が増え、権利を守りやすくなりました。一方、施工側には、単に一般的な品質を満たすだけでなく、設計図書や仕様書などの契約内容に適合した工事を行うことが、より明確に求められるようになりました。
契約不適合特約が与信枠に与える影響
契約不適合特約を付けた履行ボンドは、工事が完成したあとも、特約期間が終了するまで与信枠を使い続けます。
例えば、与信枠1,000万円の会社が、請負金額3,000万円・契約不適合特約2年付きの履行ボンドを契約した場合、保証割合によって次のようになります。
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10%保証では300万円、30%保証では900万円の与信枠が、工事完成後も2年間使用できません。
実務では30%保証を求められる工事が多く、与信枠1,000万円の会社では、1件の契約だけで900万円の枠が長期間拘束されます。
その結果、工事を受注できるだけの施工能力があっても、与信枠不足によって履行ボンドを発行できず、落札を見送らざるを得ない中小企業も少なくありません。
対策
契約不適合特約によって与信枠が拘束されても、その枠が空くまで新たな工事を受注できないわけではありません。
与信枠そのものを増額することで、次の工事に必要な枠を確保できます。
与信枠の増額には、民間保険会社との交渉が必要になります。
その際、決算内容に加えて、賠償責任保険や労災上乗せ保険などの一般損害保険への加入状況も、判断材料の一つとして考慮される場合があります。ただし、実際の評価基準や増額の可否は各社の審査方針によって異なるため、詳細は個別にご相談ください。
ただし、保険契約を一社に集約すればよいわけでも、複数社へ分散すればよいわけでもありません。
どの契約をどの保険会社に配分するかは、各社の引受方針や自社のリスク状況によって最適な組み合わせが異なるため、個別に設計を検討する必要があります。
さらに、決算内容を改善していくことで、与信枠の増額交渉もしやすくなります。



当社では、与信枠の整理から損害保険会社との交渉まで一体でサポートしています。過去には、総合的な判断材料のを通じて、与信枠の増額に繋がった事例もあります。(結果は企業様ごとの状況により異なり、同様の結果をお客即するものではございません。)
契約不適合特約付きの工事が増え、「そろそろ与信枠が厳しくなりそうだ」と感じているようでしたら、枠が不足する前に一度ご相談ください。


